「いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法」
いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法
最初にまとめ
「いちばんやさしい」と書いてあるが、超入門というわけでもなく、自分が過去に読んだアジャイル開発の本の中で、一番網羅的に説明されているような印象を持った。 新しい本だけあって、過去に出版されたアジャイル開発の良い本のノウハウが反映されているし、日本人が日本企業を意識して書いた本なので、表現や考え方にも違和感なく自然に頭に入ってくる。
例によって気になったところの覚書
Chapter1 アジャイル開発の世界
05 ユーザーとソフトウェアの関わり
顧客インサイトを知る
- 重要なのは実際に顧客がとった行動とそれに基づく分析を行うこと。
- Systems of Insightを構築
Chapter2 なぜアジャイル開発なのか
09 従来型の開発手法「ウォーターフォール」
- 非機能要件も明確にしておく
コレ忘れがちだけど大事。開発手法に関わらず。
10 顧客が本当に欲しかったもの
- 某調査機関によると、開発したソフトウェアの3分の2の機能は使われていない
経験上、企画はいつもどんなときも、ブルーハーツの名曲「夢」を歌うものです。
あれも欲しい コレも欲しい もっと欲しい もっともっと欲しい
その結果がこれなんですな。 上で取り上げたSoIを構築することと、UX検証を行って落としていくことが重要なんですね。まあそれができる状態というのは、つまり開発済みなのですが。少なくてもバックログの順位というものを明確につけ、それを開発チームと合意することは重要と思いました。
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- プロダクトを触ることで自分が表明した「欲しいもの」と「本当に必要なもの」のギャップに気づく
その通りなんだけど、ある程度は事前に気づいて欲しいところでもあるな、なんて思いました。試すのも無料ではないので。
11 ソフトウェア開発は不確かなもの
- 現代のソフトウェア開発は急速なテクノロジーの進化や複雑化する社会情勢などからVUCAになった
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
なので変化に耐えうる手法が求められる。 そうだとするとウォーターフォールのような手戻りできない方法よりも、もっといつも軌道修正しやすい方法のほうが、より良いプロダクトにたどり着く可能性が高まるはず。 つまり、(細かい手法はどうあれ)アジャイルであるべき、ということになります。
Chapter3 アジャイル開発がもたらす変化
17 個人と対話
- 相手の価値観を尊重し、ともに考えていく
19 顧客との強調
- 顧客と開発側が課題を共有できていると、より本質的なアプローチが可能
- 顧客からのネガティブなフィードバックがあるからこそ課題に気づくことができる
3つ合わせて、開発チーム以外の人たちと、この「チーム感覚」を持てたらほぼ成功な気がする。
22 自己組織化チームとリーダーシップ
- サーバント・リーダーシップ:メンバーたちがビジョンへ向かうことを支援し、成長を促す。メンバーの声に耳を傾け、課題解決をサポートするリーダー
プレーイングリーダーがこれをやりはじめると、潰れてしまうので、リーダー的立場の人だけでなく、メンバー全員が持っているべき考え方なんじゃないかと思う。
23 アジャイルチームの成長戦略
- チームに求められるスキルをそれぞれのメンバーが身につけていくことでチーム全体として成長していきます。
そうなんだけど、習得する時間がネックなんですよね。
24 筋肉質なソフトウェア
- YAGNI(YouAin'tGonnaNeedIt)とは、「機能は実際に必要となるまでは追加しないのがよい」
すごく当たり前なんだけど、これは結構厳格に守ったほうが良いことで、ちょっと先回りのつもりで実装したりして、結局不要なものになったみたいな苦い経験を思い出されます。
Chapter4 アジャイル開発の中核にあるコンセプト
34 反復的な作成物レビュー
- アジャイル開発の成果物は「プロダクト」と「チーム」なのです。インクリメンタルかつイテレーティブな開発を通じて、成長するのはチームでもある。
「チームの成長が成果物である」という考え方はすごくポジティブな気持ちになれる良い考え方だと思ったのでハイライト
- 改善施策の候補は、重要度x緊急度マトリックスを用いて整理する
確かに。最近リモートでレトロスペクティブをやると、こういうマトリックス的な視点を忘れてしまって、緊急な問題しか書かないみたいになりがちだなとおもった。 緊急度の低い重要な問題にも目をつけないとですね。
Chapter5 小さく始めるアジャイル開発
36 タスクの見える化
- 気づいたタスクについて見える化する
ついついslackに残すだけにしてしまう場合がありますね。
40 ペアで作る
- ペアプログラミングの対象はプログラミング以外にも当てはまり、「ペアワーク」と呼びます。
- 緊急トラブルやツールの設定など1人で対峙することがつらい作業は、一緒に取り組むことで心理的障壁も下げられるでしょう。また、新しくチームに参加したメンバーの育成やベテランが持つ暗黙知の伝授など、教育に役立てることもできます。
これまでもなんとなくやっている事だけど、ちゃんと意識的に使うのはありかも。
41 やったことの見える化
- Keep、Problemを共有し取り組むTryを決定したあと、最後にチームメンバーへの感謝を示すアクティビティです。感謝を伝えるというのは、「あなたの行動がチームにとってプラスになっている。その行動を継続してほしい」というフィードバックを行うことにほかなりません。
これは良さそうだなと思いました。チームへの貢献を目に見える形にするというのは良いことで、心理学的に言っても感謝を相手に伝えるのは、相手だけでなく自分の自己肯定感を高め、ポジティブな雰囲気にすることができる。
Chapter6 上手に乗りこなすためのカイゼン手法
46 チームの活動が形骸化し始めたら?
- 「問題ありません」という発言が頻発したら要注意です。この発言の裏には、問題の解決を諦めていたり、そもそも問題に気づいていなかったりするケースが隠れていると考える。
すごくわかります。
- 5本の指(ファイブフィンガー)を使って進捗状況を発言できる環境作りも対策の1つになります。
こうやって進捗状況や健康状態とかも含めて、数値化していくのは良いですね。5段階にするとみんな3にするので、「順調 or 要注意 or やばい」の3段階くらいで良さそうに思いました。
- 問題が小さいうちに課題解決や意思決定し、進捗を妨げるものを除去していけばチームのパフォーマンスは上がっていきます。
朝会とかで早期に見つけていくのが良いですと。
- その他マンネリ化したときの対策案
- YWT
- Y->W->Tの流れで、気づいた学びを次に活かすという視点
- Fun! Done! Lean!
- 楽しかったか、学びがあったかという視点
- YWT
48 成果の停滞感に直面したら
おもしろそう。プログラマー+デザイナー+プロダクトオーナーでフロントエンドの実装を最適化するのとか。「モブワーク」かな
Chapter7
アジャイル開発を懐疑的に思っている人が聞いてくる質問と答え集
Chapter8 アジャイル開発はあなたから始まる
61 素直な声に耳を傾けよう
- 巨人の肩に乗りながら、時には飛び降りる
- アジャイル開発は「目的から考える」ことが重要。その一方で、感覚的な違和感についても逃さないようにする
この柔軟さがアジャイル開発の強いところかなと。ある程度幅をもたせることで、反対してくる人の対策もしやすい。
62 アジャイル開発の学びを深める、広げる
- ハンガーフライト=チームや部署を横断する学び合いの場
- アジャイル開発は失敗の歴史によって向上するものであり、自チームだけでは得られない知見をほかのチームから学び得る機会を作ることが大切
「ジョジョの奇妙な名言集 Part4-8」
ジョジョの奇妙な名言集 Part4-8
最初にまとめ
この本を読んでおもったこと。
読んでない本のセリフは「名言」とはならない(刺さらない)
やはり、言葉はコンテクストが重要なんですね。どういう状況で、どんな人間がどういう相手にどんな意図で発したか。それが薄いと伝わりません。 ということで、読んでないスティール・ボール・ランとジョジョリオン編は、全然刺さらなかったので割愛します。 正直第6部ですらまだ解釈できてないのですから。。。 またそのうちSBR読みます。
第4部
もっとも「むずかしい事」は! 「自分を乗り越える事」さ! ぼくは自分の「運」をこれから乗り越える!!
-- 岸辺露伴
第4部で一番好きなキャラは岸辺露伴かもしれない
この岸辺露伴が最も好きなことのひとつは 自分で強いとおもっているやつに「NO」と断ってやる事だ・・・
岸辺露伴といえばこのセリフ。 しかもこの時、良い関係とは言えない仗助を助けるためにNOと言ったのですよね確か。 Noと言える人になりたい。
あれ、第4部これだけ、、、 もっとたくさん名言あった気がするのだけど、、、そのうちまた本編を見直そう。
第5部
「柔ラカイ」トイウ事ハ 「ダイヤモンド」ヨリモ 壊レナイッ!
-- スパイスガール
第5部で一番好きなシーンは、このスパイスガールが覚醒し、トリッシュが人として成長する瞬間のところかもしれない。でも名言として取り上げるのはここで良いのかなぁ、、、
「覚悟」とは・・・ 犠牲の心ではないッ! 「覚悟」とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開くことだッ!
-- ジョルノ・ジョバーナ
強い意思をもったジョルノらしい一言。
スゴクいい! いいビンタだ!!
-- メローネ
ここはちょっと笑えてよいシーンだったな。
「結果」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ・・・ 近道をした時、真実を見失うかもしれない やる気もしだいに失せていく 大切なのは「真実に向かおうとする意思」だと思っている
-- 警官
アバッキオの最後のシーンだと思うけど、正直記憶にはなかった。 良いこというなぁと。
第5部といえば、ジョルノがチョコラータを倒すときの無限オラオラ?も印象的なシーン。 でもどこを名言として切りとるかは確かに難しくて、やはりセリフというよりコンテクストを含んだシーンごと切り出すのがよいのかなあ。
第6部
第6部から難解すぎて、終盤のスネイル大量発生事件と、最後の輪廻転生みたいなものを表した1ページぐらいしか覚えてないっす。というか1度しか読んでないからな。あとでまた読みたい。
「ひとりの囚人は壁をみていた」・・・ 「もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた」 あたしはどっちだ?
--空条徐倫
「逆境を生かす人 逆境に負ける人」
逆境を生かす人 逆境に負ける人
最初にまとめ
つまりレジリエンスのことですね。簡単にまとまってて読みやすかったです。
逆境を生かすには、つまり弾力性が必要
- 弾力性はいつでもどんな人でも身につけることができる
- 自分の人生に責任をもち、人生をコントロールしているという自覚を持つ
- 人は逆境の前と後で同じ人ではない
- 自分や周囲をよく観察し、状況にあった選択を自分にあった方法として見つけていく。
弾力性を見つける方法
ステップ1:ストレスを見方にする
自分の感情をリスト化する
- リスト1:何が大変なのか
- リスト2:自分がどう感じているのか
- これをやっておくと他人に相談するときに役立つ
- リスト3:自分を元気にしてくれること
ステップ2:問題解決のスキルをまなぶ
- 自分の感情を捨て、問題そのものに意識を向ける
- もし問題が自分の起こしたミスであっても、他人が起こしたものだと思って客観的に考えるとよさそう
- 正確に状況を読む
- 何が問題なのか、信用できる事実はどれなのか、深刻度・緊急度、誰に頼るべきか
- 客観的な状況把握
ステップ3:柔軟な考え方を見につける
- 人生のどんな状況からも学ぶと決めておく
ステップ4:逆境を成長のチャンスに変える
角川武蔵野ミュージアム : 本棚劇場
ところざわサクラタウンにある角川武蔵野ミュージアムにいってきました。 昨年末の紅白歌合戦でYOASOBI歌ったあそこです。図書館好きとしてはとても興味があったところです。
魚眼レンズ最高です。
正面から。
サクラタウン自体には神社?とかあったりいろいろありましたが、ほとんど素通り。
YOASOBIが歌っていたあの場所は、角川武蔵野ミュージアム館内の4-5Fにある本棚劇場というところ。特別展とかもいろいろあったのですが目当ては本棚劇場だけだったので、KCM スタンダードチケット(1200円)を買って入場。
エレベーターで4Fにいってエディットタウンへ。
いい空間です。
本棚の前にいくつか椅子があるので、そこに座って読むこともできます。
本棚劇場はその先にありました。 ここですね。ikuraが歌ってたのは。Spotifyで「夜に駆ける」を聞きながら回りました。
まさに魚眼レンズが一番輝くような場面です。
フィルターを外して撮影。
iPhoneの壁紙にしようかとiPhoneSEで撮ったけどちょっときつい。収差が気になる。
QRコードを撮影して本や作家に対してコメントを入力すると、それがスクリーンに表示されるという参加型のアトラクションもありました。
20分ごとにプロジェクションマッピングの上映があり、正面の本棚がいろいろ伝えてきます。 人は本に学び、本から怒られたり、本に救われたり、本から得られたものを栄養にして、人という木が大きく成長していく、といったことが表現されているように感じました。
プロジェクションマッピングが終了したあと改めて棚を見てみる。おそらく、この面だけは背表紙の色とか計算しながらおいているのだろうなと。他の棚は色やジャンルはあまり整理されている感じではなかった。
4Fから5Fに行く階段も何やらテンションがあがります。
5Fから上部を撮影
実際に本を手にとって読むようなスペースは、5Fにいくつかあるという感じ。本をじっくり読んだり、いろんな本を読みながらおしゃれに時間をつぶすという目的なら、個人的には六本木ライブラリーのほうが良いかもなと思った。
ともあれこれも最高の空間でした。なんで本がたくさんある場所ってこんなにワクワクさせてくれるのでしょうか。
ちなみに、脇で鉱物展があって少し見たのだけど、このビスマスってやつはいつもゾクゾクさせられる。なんというか未来的な形状で、どちらかというとディストピアみたいなものを連想させられるのは僕だけでしょうか。
あと、何度も言及しましたが、想像通り魚眼レンズ(コンバーターだけど)が火を吹きました。最高です。
コレが使いたいのでソニーのミラーレスを買ったと言っても過言ではない。魚眼レンズって高いんですよね。でもコンバーターだと意外とお手頃価格なのでおすすめです。
お土産屋さんがあまり図書館好きに刺さるようなものがなくて、ちょっと残念だったかなと。
「モヤモヤした感情を整理する8つのコツ」
モヤモヤした感情を整理する8つのコツ
最初にまとめ
時代や宗教、職業などが別々の様々なバックグラウンドをもった人でも、言っていることはかなり似通っているというのがよく分かる。僕の場合は殆どアドラー心理学に帰結した。
第1章 くよくよした感情
それ浄土というも、地獄というも、 外には候はず、 ただ我らが胸の間にあり
-- 日蓮
(極楽とか地獄というものは、自分を取り巻く環境のような外部にあるものではない。 心のうちにある。ものの考え方1つで、極楽にも地獄にもなる)
楽しみは、珍しき書、人に借り、 始め位置ひらひろげたる時
-- 江戸後期の歌人 橘曙覧
めっちゃわかる。他にも同じようなものがあるらしく、
楽しみは、まれに角煮て、児等皆が、 うましうましといひて食ふ時
(人生の楽しみも一つは、久しぶりに食卓に煮魚がでて、子どもたちが「うまい、うまい」と食べている光景を見るときである)
すごく普通のこと言ってて、若い時は理解できなかったかもしれないけど、なんかとても刺さる。 幸せというのはごく身近なところにあるのだ、と。
第2章 怒り
賢者は敵から多くのことを学ぶ
これはビスマルクの
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ
という言葉を思い出した。ちなみに僕は愚者です。愚者以下かもしれませんw
逃げていく敵には橋をかけてやれ。
-- 古代ギリシャの軍人 アリステイデス
子育てのことを考えながらコレを選んだ。 本田宗一郎は叱ったあとに必ず褒めたとか。(まあ普通の上司でも、パワハラだとか面倒なことを回避するために、自己防衛的にやっていそうだけど)
第3章 恐れ
境遇を恐れるな。ただ自己を恐れよ
-- 明治時代の思想家 杉浦重剛
悪条件自体ではなく、そういったものに打ち負かされてしまう自分自身の心こそが恐れなのだと。
粗相があったからといって、 別に命までとられるわけではない
-- 臨済宗の僧 沢庵
本当にそのとおりです。現代において、仮に仕事で大きくやらかしてミスったとしても、命がなくなったり、家族を守れなくなる、なんていうことは絶対におきないのです。 「永遠の0」を読んだ時に、これから自分がどんな境遇になったとしても、特攻隊員になった若者たちよりはずっと希望があるはずだと思ったことを思い出した。
第4章 不安
居は気を移す
-- 老子
リモートワークの現代においてはっとするような一言。許される範囲で場所を変えたり非日常を作り出すのが良さそう。
金がないから何もできないという人間は、 金があっても何もできない人間である
-- 小林一茶
「金」を「時間」に置き換えて読み直すと、一気に心にぐさりと刺さる。
第5章 後ろ向きな感情
勉学で使う油は惜しむな
-- 緒方洪庵
ドラマ「JIN-仁-」で武田鉄矢が演じてたのしか知らないけど、そのとおりです。 自己成長に対しての投資は一番効率が良いのです。
第6章 頑張りすぎる感情
うまくやろうとするあまり、自分を追い込むと、苦が生じる
-- 林羅山
リモートワークにおいて公私の境目が難しい今にとって、とても大切な心持ちだと思います。そして、実際に「苦」が生じるまで気づかないという事になりがち、、、
反省は病を治す薬だが、大事なのは過ちを改めること もし悔いにとらわれているだけなら、別の病がおこる
そのとおりなんだけど、「過ちを改めること」をどこにおいてどのように行うかが肝なんですよね。
すごろくの上手といいし人に、その手立てを問いはべりしかば、 「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり」
-- 吉田兼好
これは一見ただの「勝負理論」みたいな話に見えるのだけど、少し拡大解釈して考えると、目の前や見せかけの利にこだわるのではなく、大局で考えろ、ということのように思う。
第7章 愛されたい感情
人に勝る財はなし
-- 臨済宗の僧 崇伝
スクラム開発におけるアウトプットとは、「プロダクト」と「チーム」である。と、並行して読んでいる別の書を思い出しました。
己のよくせざるところは人に施すなかれ
-- 孔子
この言葉を本書では、「自分が他人からされたくないことは、他人にもしない」と説いています。一方で、インドでは「他人に迷惑をかけずに生きることはできない。だから自分も他人の迷惑を受け入れないといけない」という教えががあると聞き、感銘を受けたことがあります。とはいっても、この2つの言が別に相反するとは思いませんが。状況や内容によるとしか。
よろずの事は頼むべからず 愚かなる人は、ふかくものを頼むゆえに恨み怒ることあり
-- 吉田兼好
本書では「他人に角の期待を寄せてはならない」という解釈にしている。これはこれで正しいと思うのだけど、前述の「他の人にもっと頼るやり方のほうが回り回って皆が幸せになる」という考え方のほうが好きかも。
第8章 認めてもらいたい感情
まことの商人は先も立ち 我も立つことを思うなり
--石田梅岩
まあ、いわゆる三方良しみたいなことだと思うけど。 「先」を誰において考えるか。上司かチームメンバーか、他部署のメンバーか。
「感情的にならない気持ちの整理術」
感情的にならない気持ちの整理術
最初にまとめ
どこからでも読めて、1日で読了できるシンプルな本。 こういう本は、多分、刺さる時はとてもよく刺さるというもので、疲れた時など、たまに読むと良いと思う。
以下、メモ。少し自分の理解を足してニュアンスが変わっているものもありますが。
第1章
- 感情をコントロールできないと人生も不幸になる
- 「嫌われたくない」という気持ちが不機嫌を生む
- いつまでも落ち込んでいるのは過去の自分のせい?
- 自分が不機嫌になれば、相手も不機嫌になる
- 「答えは一つ」だと思うと不機嫌になる
どれも正しいと思うのだけど、結局相手との人間関係の問題なので、相手がどう思い言動するかによって、これだけでは解決するには不十分な場合があると思う。と考えていくと、結局、アドラー心理学にたどり着くというのが自分の考え。
第2章
- 自分を含め、どんな人の性格も偏っている
- 80%できれば合格と考える
- 1週間に3つのご褒美を用意する
- どんな結果が出てもまず自分を褒める。魔法をかける
- 「自分はこのままでも大丈夫」と思う。自己許容
- 自分の成長を信じる
自分を褒めるのもいいが、他人を褒めるのも良さそうな気がする。
第3章 やってはいけない!ストレスを増やす行動
- 言っても仕方がないことは言わない
- 困った時に一人で抱え込まない
- 一人でできることには限界がある。他人を動かす
- 「察してほしい」と思うこと
- 言語化してお願いしないとわからない
第4章 毎日、ごきげんな自分になる
- 「変えられること」だけに取り込む
- 過去と他人は変えられない
- 楽しそうに振る舞う
- 謝るのが得か、謝らないのが得か
- 好きなことから始める
- 徹底的に休む!
- やばいときは1週間休む
- 気分転換の手段を持つ
- 新しいことにチャレンジ
- 陽気な人の真似をする
- グループの雰囲気がよくなる
変えられることと変えられないことを見極める知力をくださいってやつですね。
付章 気持ちの整理術
- 7秒間、深呼吸をする
- 脳に新鮮な酸素が送られるのをイメージ
- 自分の行動と気分をノートに書く
- 他人を褒める
- 季節や人生の節目のイベントを大切にする
- 自分の感情をラベリング
- 開き直って自分を肯定してみる
- 紙に書き出してみる
節目のけんは、僕も重要だと思っていて、これをやらないと人生がとても無味乾燥なものになると思います。
「スクラム 仕事が4倍早くなる”世界標準”のチーム戦術」
スクラム
またscrumについての本。 流石に3冊め?になると殆どの部分について同じ内容を読みなおすことになり、飛ばし読みが多くなる。 この本は、他のスクラムの本と比べると、結構硬派で文字が多めと言えるかもしれない。スクラムのエッセンスに加え、世界各国で過去に起きた失敗例や導入例を含んでいるので、広く知識をトリビア的に得つつ、スクラムの本質を学ぶことができる。エッセンスだけを知りたい場合や復習したい場合は、各章のまとめだけを拾い読んでいけば良いかも
第1章まとめ
- 計画は変わるものだ
- 検査と適応 折に触れて立ち止まり、それまでの仕事を振り返って、やり残しや改善がないか
- 早い段階で失敗し、早く修正する 最初から正しくフィードバックを得ないと、「早い段階での失敗」が見つからずにそのまま進んでしまうということがあるなと。
第2章まとめ
- 現状を正しく把握し、選択肢を吟味し、決断し、行動する
- 外に目を向け、答えを探す
- 主体的に動く力をもち、枠を超えた大きな目標を掲げている
- 推測ですませない。PDCAのサイクルを
- 守破離:型を体得したら工夫を加え、最終的に型から離れて流れに身を委ねる
第3章まとめ
- 個人ではなくチームのパフォーマンスを改善すること
- 個人の協会や限界を超えた目的がある
- 仕事をどう進めるかについて主体性を持つこと
- 機能横断性
- 小さなチームは動きやすい
- 避難は無意味
第4章まとめ
- スプリントで時間を管理
- デモで実物を見せる
- 全員が情報を共有する
- デイリースクラムは"ハドル"である。
- 報告の場でなく、効率化の場である
第5章まとめ
- マルチタスキングが効率を落とすのは明白なので、実装の順番も、ある程度まとめて行うべきである。
- 仕事のしすぎは悪循環を生む
- 消耗→ミス→時間
- 無理はしない。モチベーション低下につながる
- 困りものは不要
- 感情面でチームをかき回したり、不安や恐怖心を煽る行為はやめさせる。
第6章まとめ
- 計画は必要な分だけ行う
- 相対的な数値のほうが良い
- ポーカーする
- ストーリー形式で
- ベロシティを把握
- 到達地点は数スプリントやってみてから予想できる
第7章まとめ
- 幸福度の計測 何を1つ変えれば、次のスプリントでもっと幸せだと感じられるか
- 大切なのは旅そのもので、目的地ではない。だから幸福感がでる
- 幸せに働くことができれば良い選択ができ、想像力を発揮でき、大きな成果に手が届く
- 幸せを量的に把握する
- 日々進化し、それを評価する
- 仕事のすべてを見える化する
- 誰でもみることができ、日々状況を更新できるように
- 幸せとは、主体性、スキルアップ、役に立つこと
- 幸せのバブルには注意。
第8章まとめ
第9章まとめ
- スクラムはあらゆる問題に適用可能
- 学校でも、貧困対策でも
- 肩書にとらわれないこと