「ザッポス伝説2.0」

ザッポス伝説2.0

最初にまとめ

顧客第一主義的にワオ!を生み出すことを理念としたザッポスという会社の思想に触れられる一冊。

サウスウエスト航空と企業文化がかなり似ているように思った。

ちなみにCEOのトニー・シェイってなくなってたのですね、、、良い意味ですごくCEOっぽくない活躍でたくさんの幸せを作った方でしたが、、ご冥福をお祈りします。

ザッポスのコアバリュー

  1. サービスを通してワオ!という驚きの体験を届ける
  2. 変化を受け入れ、変化を推進する
  3. 楽しさとちょっと変なものを創造する
  4. 冒険好きで、創造的で、オープンマインドであれ
  5. 成長と学びを追求する
  6. コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
  7. ポジティブなチームとファミリー精神を気づく
  8. より少ないものから多くの成果を
  9. 情熱と強い意志を持て
  10. 謙虚であれ

意外と普通なものが並ぶ中、3の「楽しさとちょっと変なものを創造する」だけは面白いなと。 これを設立後7年経った2006年に導入して、価値観と合わない人は退職金を受け取って辞めたらしいです。

ダウンストリームインパク

サウスウエスト航空も含め、こういう顧客第一主義で、「ちょっとやりすぎなんじゃないか」と思わせるような会社が儲かっているのはなぜか?と疑問がわきますが、答えは本書の中にあります

問題を経験した人のほうが、継続して利用する傾向が見られることです。例えば、2017年のクリスマスに、注文に師匠が生じて返品した人や、私達が返金を申し出た人を追跡調査したところ、私達のサイトを再び訪れて、さらに多くの買い物をした人が、平均的な子役よりも多くいました。

まさに「損して得取れ」というというころでしょうか。しかも今はSNSの時代です。ワオを感じた人が、体験したことを美談として拡散してくれます。(自分の承認要求を得るため、というおまけ付きですが、拡散すると嬉しいという目的は一緒なので問題なし)つまり企業の「生涯ファン」になってしまう。仮にやりすぎと思える行為を投資と考えたとしても決して高くないと。

このように、何かしたら、12ヶ月後、18ヶ月後、更にその先に顧客はどのように振る舞うかを数値化したものを「ダウンストリームインパクト」と呼ぶそうです

ハーバードに入るより難しい会社

スタートアップと聞くと、例えばGAFAのように人の採用のハードルがかなり高くて、かなりのレベルの実力を求められるというイメージがあります。ザッポスもきっと同じような感じなのでしょうけど、本書を読み限り、基準が必ずしも実力や学歴ではなさそう。入社希望者の人間性がかなり重視されているように思いました。一言でいうと、「思いやりがあって、変化を起こしたいと思うひと」らしいです。

  • 経歴は関係ない
  • 大学に通ったことのない人が、電話オペレーターとして入社し、マネージャーを経て財務部門に異動したりする
  • 90日の社内インターン
  • バンドマンがコアバリューを歌う動画を撮って応募したら電話オペレーターとして採用され、ファンジニア(楽しさのエンジニア)に

などなど

ラクラシー

自己組織化するためのガイドラインとして、ホラクラシーという考え方をとりいれているらしいです。

  • 社員は複数の「サークル」に属し、複数のロールを担う
  • サークルのボスは「リードリンク」と呼ばれる
  • 民主主義的な意思決定
  • 殆どの決定はガバナンスの鎖を上位にたどる必要はない

面白いと思う一方、従来型の組織と本質的な違いはどこにあるのだろうか。それに、他のサークルと相反することをやったりとか、全く同じことをやったりとかしてしまいそうな気もするが、どのように管理されているのかな。 という疑問はおそらくコレを読めばかいてありそう。日本の(古い)企業文化にはすっげーなじまなそう。


本書は、エピソードを紹介する前に、社員の名前と一言紹介文のようなものがついているが、面白かったのを取り上げてみる

ホリーデラニー CHRO(最高人事責任者)

40歳で初めてタトゥーを入れた


ローレンベッカー コミュニティチーム

ザッポスに来る前は、ボートの底からフジツボを削り落とす仕事をしていたよ


ジョンバンチ 組織体制、CEOのアドバイザー

現在67歳。しょっちゅう頭をどこかにぶつけている