「アジャイルサムライ」
アジャイルサムライ
読むの2度目。前回よりも実戦経験を得た上で読む。
メモは、改めて意識したいと思った部分や気づいた部分、だけ。
3つの真実
- プロジェクト開始時にすべての要求を決めることはできない
- 決めたところで、どれも必ずと行っていいほど変わる
- やるべきことはいつも、与えられた時間と資金よりも多い
だから、アジャイル開発を選ぶのだ。 計画→フィードバック→改善のサイクルをちゃんと回すことで変化に対応しやすく、よりよいプロダクトへと軌道修正しやすいから。
開発チーム
開発チームにはクロスファンクショナルなメンバーで構成されていて、テクニカルライター、ビジネスアナリスト、プロジェクトマネージャ、プログラマ、データベース管理者、UXデザイナー、テスターなどが含まれる。
アジャイル開発を始めると、プログラマとプロジェクトマネージャくらいしか開発チームにいない、ということはよくあるけど、テスターを追加するというのはやったことがないかも。結構別働隊的に動いているかな。。
インセプションデッキについて
プロジェクトがどんなものであるかを短い10個程度の質問によって明らかにし、すべてのステークホルダーに見えるようにする、というもの。 プロジェクトを立ち上げると、いろんなマネージャーや企画方面からの夢が大きくなりがちですが、対立点やバランスを考慮した上で、こういったものを予め決めておく事は重要ですね。途中で、絶対に、根本を揺るがすことを言ってくる人がでてくるので、そういうブレそうになったときに皆でみるものとして使えます。
特に重要なのは、
- 期間を見極める(いつリリースするか)
- やらないことリスト
- 何を諦めるか
あたりかなと思いました。 ちなみにインセプションデッキ上の期間および費用の見積もりは超適当で、精度なんてあてにならないもの。
開発期間を見極める
小さく始めるためには、プロジェクトを6ヶ月にするのがリスクとのバランスの上では最長という考え方があるらしい。 あくまでも、アジャイル開発という点からすれば、ということであるけれど。
これは与えられた制約条件の中にすでにリリース時期がある程度固定されてしまう場合があると思うけど、たしかに「サイクル」ということを意識すると、短いほうが良さそう。
ユーザーストーリーの単位はINVEST
- Independent
- Negotiable
- Valuable
- Estimatable
- Small
- Testable
POを企画とか開発しない人がやったりするとこのあたりは絶対と言ってよいほど守られないので、スクラムマスターや開発チームからしっかり監視する必要がありますね。Jiraのテンプレートに反映させるべきかもしれない。
見積もりは不確実である
いわゆる不確実性コーンであり、遠いものほど不確実性が高まるので、スコープのコミットする時期を遅くするほうが良さそう。
NEGATIVE BALL
さいたま近代美術館にいって、MOMAS展を見に行った。
久しぶりに現代アートを見ると何を感じるのだろうか。何か得るものがあるだろうか。 (という期待をして毎回チャレンジするけど、いつも撃沈している)
今回も、いろんな作品を想像力を働かせて見てみる。何となくこんなものを書いたのかなーとか、この人はなぜコレを描きたかったのだろうかなどと適当に想像してみる。ほとんどのものはよくわからなかったか、あるいは自分にとって価値のあるようなものを感じることはなかった。
ただ唯一、志水晴児氏の "NEGATIVE BALL" という屋外に飾られた展示物にだけ、吸い付かれるように心を奪われた。
立法体の一部を球でくり抜いたような作品。まるでPower Pointで2つの図形を合成して切り抜いたようなもので、球型の穴の下部にはここ数日降った雨水が濁って溜まり、枯れ葉などのごみ、そしてボウフラのような微生物が漂っていた。
予備知識なく、現地で見ているときは、正面から見るとなんとなくハートっぽく見えるけど、なぜ"Negative"なのかなと思った。くり抜いて反転させている = "Negative" ?なのかなーと考えた直後に、全く別のところから、別の考えが突如浮かび、ハッとした。それはアドラー心理学の「意味づけ」だった。
一つの事象は、見る人独自のメガネによって意味づけされ、解釈される
といったような意味だ。
つまり、完全な球体をあえて反転して、Negativeな視点で見ると、こうやって重くてゴツゴツしたものになり、中に不純物が溜まってしまい、いろいろと厄介に見えてしまうけど、見方を変えればもっとシンプルなんだよ、ということである。
何も解説がないし、答え合わせのしようがないのだけど、まあこれは多分、偶然による完全に個人的な解釈であろう。最近アドラー心理学に傾倒していることで、自然とそういう見方になっただけかもしれない。でもなんだか自分の中でとてもしっくりきてしまい、すごく惹きつけられたのだった。これのポストカードがあったら買って帰ろうかと思ったが、残念ながら見当たらなかった。
このオブジェについて、あとで検索してみたが、以下の記事にあるような見方が一般的なのだろうか。
現場で自分が見たときはしっかりと日があたっていなかったこともあって、内側に球体が浮いているようにも見えなかった。 もしかして、水が反射して球体の内側に投影される影が、凹んだ形に投影された球だから、"NEGATIVE BALL" なのだろうか。(でも凹型をNegativeというかな??) どちらにせよ天候という偶然性が大きく関わっているのは確かである。もし自分が製作者だったなら、ある偶然が成立しないと理解できないものを、説明無しで展示するということはしないかなーと思ったり。
どちらでも良いのかな。コンテンポラリーアートってこういうものなのかな、とちょっと思ったのだった。
あと、さいたま近代美術館がある北浦和公園には中銀カプセルタワーの展示があることを後で知りました。。。残念。またいつか行きます。その時に "NEGATIVE BALL" を見たら自分はどんな解釈をするのだろうか。
「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」
いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本
さいしょにまとめ
罪悪感のタイプを分類する前半と、それぞれについてどう付き合うべきかの後半。
前半の内容には納得感があった一方、その一つ一つを後半で網羅できていなかったように思いました。
メモ
罪悪感は誰にでもある
- 罪悪感とはルールみたいなもので、誰しもが持っている。もしなくなったら手を使って良いサッカーみたいな人生になるかもしれない
- ドラマを盛り上げる演出役
- 罪悪感は消すものではなく、付き合っていくもの。
- まずは自分の中にあることをしっかりと受け止める
- 罪悪感とは
- 自分は幸せ担ってはいけないような気がする
- 自分は大切な人を傷つけてしまうと思う
- 大切なものは自分から遠ざけてしまいたくなる
- 愛する人と距離が近づくと怖くなり逃げたくなる
- 自分は穢れていると思う
- 自分は迷惑な存在なんじゃないかと思う
- 幸せになることが怖いし、信じられない
- 誰かに愛されるという発送がない
- 誰かの愛がうけとれない
- . 助けを求めることが苦手だ
- . 自由になることは誰かに迷惑をかけるものだと思っている
- . 問題が起きると自分のせいのように感じてしまう
- . 自分は毒のような存在だと思っている
- . うまくいきそうになるとつぶしてしまいたくなる
- . そもそも何かを壊したい欲求が自分の中にある
- . 自分は表に立ってはいけないと思っている
7つのタイプ
誰かを傷つけてしまった、壊してしまった(加害者の心理)
- 仕事で大きなミスをしてしまい、取引先はもちろん、自社にも大きな迷惑をかけた
- 子どもが自分の意見を言わないのは私があれこれ指示を出しすぎたせいか
加害者と被害者は悪循環の関係
「無害者」になる
助けられなかった、役に立てなかった(無力感)
- 他人のサポートをしたがむしろ足手まといになってしまった
- 自分に期待してくれた会社や上司に精一杯成果をあげようとしたが、うまく行かなかった
- チームのためにと一生懸命頑張ったが、うまく行かずみんなを休出させてしまった
- なにもしてない、見捨ててしまった
- 仕事上のある問題に気づいていたが何とかなるだろうと思って見過ごしていたら、大きなトラブルに発展してしまった
- 恵まれていることへの罪悪感
- 高学歴・高収入が嫌味になるのではと思って身構えてしまう
- 自分は毒である、自分は穢れている
- 親やパートナーから受け継いだ罪悪感
- 「私なんかの子どもでごめんね」と言われるとその環状をコピーしてしまう
- そのほか
- キリスト教の原罪
- ...
自分の許し方
- 正しさを主張する人ほど罪悪感が強い
- 罪悪感が強ければ強いほど、認めた時に保証や謝罪をしないといけないと思い、正当化・責任転嫁をする
- 自分のせいにするのではなく、すべての問題は50:50と捉える。
- 対等
罪そのものを客観的に眺める
- 「自分のせいだ」と自分を責めるよりも、「自分がやったコトに原因がある」と捉えることで、客観的に自分を見つめる
- それでも叱られたら、一応「謝罪」はしておく
- 自分で許すことができなければ、問題は何も解決しない
- 「自己肯定感」が必要
- これが自分だもの
- ミスをした後輩に接するように自分に接する
- 自分の感情の波を乗りこなす
- 客観視し、実況中継するように観察し、ラベリングする
- 自分自身に「無罪」を宣言する
- 肯定的暗示
- 「私は私を許します。私は無罪です。・・・。・・・etc」と繰り返す
- 罪悪感は他人に感謝することによって癒やすことができる
- 自分らしく生きている(架空の)自分をアドバイザーに指名し、助言を求める
「賢者の書」
賢者の書
一人の少年サイードが、9人の賢者との対話を通じて、幸福になるために何が必要かを学び、書に記していく物語。 前半は比較的あっさり進んで、後半数十ページは手厚く、この本の一番大切なモノが書かれているように思う。
それは、
人はいつ、どんな状況でも、何度でも変わることができる。そして、それを信じなければならない。
ということじゃないかと思う。
この本の著者・喜多川泰氏のシリーズは物語を通じて人生の教えを伝えてくれるものが多いらしい。 概要やコメントをみると、就職活動中の若者向けであったり、人生に迷いをもつ中年向け、などいろいろターゲットがあり、自分の人生を振り返ってみたり、生きる勇気を失いそうになってしまった時などに利く物が多いようだ。
今回が2冊めで、一冊目はこちらでした。
もう一つくらい読んでみようかなと。
「Scrum Boot Camp」
Scrum Boot Camp
スクラム開発を仕事で導入しているものの、うまく進められておらず、改めて勉強しようかなと。 改めて、なので、網羅的になってないのはすみません。
さいしょにまとめ
Scrum開発とは何か、マンガによるストーリーを交えながら解説してくれるもので、初めての人にもわかりやすくまとめられている。 といっても、実践はまた別なんですよね。
アジャイル開発とは、スクラム開発とは
まずは基本的なところから復習して正しく抑えなくてはならない
アジャイル開発とは
事前にすべてを予測し、計画することはできないという前提のもとに、以下のような進め方をする開発の事を言う。
- 関係者は目的達成のために協力しながらすすめる
- 関係者からのフィードバックを継続的に得ながら、計画を調整する
- 少しずつ作り、できたものが求められているものとあっているか確認する
ちなみに、Agileという英単語は、機敏な、敏捷なという意味らしいです。とてもイメージに合っていてわかりやすいです。
アジャイル開発では、おおよその全体像を明らかにした上で、大まかにコストを決めて、その範囲内で大事なものから順番に開発していくので、ベストエフォート型とも言えるかと思います。 ベストエフォート型なので、例えば1年後のリリースに向けてどこまで開発できるか、という事をコミットするのが非常に難しくなる。特に大きなプロジェクトの一部だと、自分たちの都合だけでスケジュールやコストを決められないのにも関わらず、内容をコミットしなければならないというジレンマが悩み。そうするとどうしてもディフェンシブな見積もりをすることになるのかな。あるいは、どこまでできるかは優先度に従って流動的である、という事自体を前提に、ボトムラインをコミットすることになるのかなと。
Scrumとは
アジャイル開発手法の一つで、作業と会議と成果物を以下のように定める
- 要求を実現したい順に並べ、成果を最大化する
- タイムボックス:固定の時間に区切って作業する
- 透明性:現在の状況や問題点を常に明らかにする
- 検査:開発しているものが正しいのか、進め方に問題がないのかを定期的にチェック
- 適応:もっとうまくできる方法があれば、やり方そのものを変える
コレを基本に、自分たちの環境でどのように適用できるかをアジャストするように考え、調整していくスタイル。 実際に動かしながら考えたり変えたりするのって難しくて、特にプレーイングリーダーとかだとどうしても、この辺が疎かになってしまうのが悩み。
プロダクトオーナー
行うこと
- プロダクトのビジョンを明らかにし、共有する
- プロダクトバックログを常に最新に保つ
- プロダクトバックログの項目の内容をメンバーが理解できるようにする
- リソース計画を定める
- 予算を管理する
- 作る順番と時期をステークホルダーと相談する
- 作られたものが要求にあっているかどうかを検査する
非常に役割が多い。 1-3, 7は企画的な役割だし、4-5はマネージャ的だし、6は開発のリーダー的役割。 POがしっかり決まって主体的に仕事をするようなチームだとすごくうまく回りそうな気がするんだけど、僕は運が悪いのかそんなものを見たことがない。
開発チーム
- プロダクトを作る
- 全員揃えれば作れる
つまり、本来はUXチームとかも含めるべきなんですね。大きな組織だとこの辺がむずい。UXはいろんなプロジェクトに少しずつ顔を出して組織としての統一性をもたせるような仕事の仕方になるので。専任になるといいんだけどね。
スクラムマスター
- プロセスがうまくまわるようにする
- 妨害の排除
- 支援と奉仕
- 教育、ファシリテート、コーチ
行うこと
これも役割が多いので、これは(開発をしない)専任の人をひとり作るのが良い。もし開発と兼任するのであれば、その人が開発にコミットできる時間を最初から減らしておくか、分業するのが良いかもしれない。実験してみたいところ。
デイリースクラムで何を話すか
一般的には
- 前回からやったこと
- 次回までにやること
- 困っていること となっているが、結局ただの報告会になってしまう。
「デイリースクラムの目的は、進捗報告会ではなく、スプリントのゴールを守るための検査である」 というのはちょっと忘れがちだなと。スクラムマスターの役割はプロセスを効率化することなので、このあたりで目を光らせないといけない。
あと、妨害リストの管理というものは、ルールを決めてしっかりやっていなかったけど、すごく重要だなと。 技術的なものと、プロセス的なものと、あるいはそれ以外にもいくつかありそうだけど、上司に見せて報告しやすくしておくのも良さそう。
ということで、基本部分と改めて気になったところだけだけど。
シリーズものもあるし、他にも読んでみたい。
「Study Hacks!」
Study Hack
最初にまとめ
表紙にあるような錚々たるメンバーが、ビジネススキルを取得する方法披露してくれる本。 内容としては、 * 実際に仕事で使うスキル * 教養の話 * 本当に「勉強の方法」 などなどと、いくつかの分野にまたがっているような印象を受けたけど、Xxxx Hack系の本って、悪く言うとそうやって「とりとめのない良いものの集まり」みたいな本が多いと思うので、コレはコレで良くて、さらに内容を勉強したい場合はそれぞれを別の書籍で深堀りしていけば良いかなと思う。
なので、覚書としても自分に刺さる部分しか記しませんのであしからず。また、本書内で「○○の可能性もある」、と表現されているものを、僕が気に入ったあまり断定的に書いている場合もあります。
菅原道仁(脳科学者)
秋元雄史(練馬区立美術館館長)
- アートはスポーツと似ている
- 直感や感性を磨ける
- 「食い散らかす」感覚でアートに触れることをおすすめ
アートとか、クラシックとかって格式高くて理解できないととつまらないし恥ずかしいし、手が出しにくいとかって思いがちだけど、「食い散らかす」って良い表現だとおもいました。
山口真由(信州大学特任准教授)
- 学ぶべき内容が詳細にカバーされた網羅性が高い1冊の本を7回読むことで記憶に定着させる
- 最初はキーワードで全体像をつかみ、徐々に深く読み、7回目には予想しながら読むみたいな感じ
- 生活習慣もなるべく固定し、ルーティン化する
1を聞いて0.5を知ると言われている自分にとって刺さりました。あるいは同じテーマについての本を7冊読む、も良いかもですね。 1つのことを別の角度から説明されると輪郭が捉えやすくなるということも言えると思います。
中島輝(心理カウンセラー)
- 自己肯定感は意識的に作り出すべき
- 未来からみた「いまという過去」を肯定的にとらえることが、ネガティブな思い込むから抜け出す即効性のある方法
- リフレーミング:過去の失敗があったからこそ、次の行動の糧にできると、考え方の枠組みを変えてしまう
- 否定後は相手に失敗をイメージさせ、不安や怖れを抱かせてしまうので使わない!
否定後たくさん言ってしまうときがあります。周囲のみなさん、もうしません。お互い高め合いましょう。 偶然この人の本を図書館で予約してたのでのちほどまた勉強します。
美崎栄一郎(商品開発コンサルタント)
- すぐ人の意見に同調しない これって自分には姿勢としては身についている気するのですけど、実践するのって難しいんですよね。同調しない場合にはなにかの根拠や対案が必要なのと、それが理由なき反抗みたいにならず、未来に対して良いものを作るための意見でなければいけない。それを瞬時に発見して、うまく説明するのとか。
この方も、全体的に自分にしっくりくる内容が多かったし、または「それわかっているけどできないんす!」って内容が多かったので、また別途本を借りて深堀りします。
佐々木常夫(代表取締役)
佐々木さんの本は何冊か読んでいて前から存じていたこともある上、最後に出てくるので真打ち登場的な雰囲気。
- なにもやらないのが一番の損
これだけにしておきます。
「こどもの「やりたい」を引き出すコーチング」
「こどもの「やりたい」を引き出すコーチング」
最初にまとめ
何ヶ月かに1回は読むことが自分の中で義務化されている教育系とコーチング系の本。
コーチングのプロが、自身の子育ての経験を通しつつ、子どもへの接し方のヒントをくれる本。自分自身の経験とも相まって勉強になったし楽しかったです。
コーチングとは
3つの原則
- 双方向である
- 個別的に、相手に合わせた関わりをする
- 継続して関わる
代表的なスキル
- 聞く
- 質問する
- 承認する
- リクエストする
PART1 子供をうけとめる
1 - 聞く
相手が「聞かれた」と思う聞き方
- 最初から最後まで聞く
- 相手の言わんとしていることをそのとおりに理解しようとする
- 自分のやっていることをやめ、自分の予測や価値判断を横において、聞く
- 忠告も、否定も、解決も、いらない
2 - 見る
エンジェルアイ・相手を無条件に受け入れる眼差し
3 - ペーシング
相手にペースをあわせること。 相手の言うことや気持ちを受け止める。自分の忍耐力と思いやりを総動員してしっかり受け止める。
- 相手の言葉を繰り返し、気持ちを受け止める
- 相手の大切にしている世界や価値観を尊重する
このペーシングという単語は、そのままの意味なんだけど、とても耳に残りやすいなと。 結局、PART1は(もしくはこの本全体についても)この言葉がすべてなんじゃないかと思う。
PART2 子どもに働きかけるスキル
1 - 質問する
コーチは質問のプロ。
オープンクエスチョンのほうが相手に働きかけることができる
「宿題やった?」
「宿題どう?」
の違い。5W1Hで聞かれれば、「言われなくてもやるよ!」という返事にならない。
でも、「なぜ」は使い方に注意。問い詰めることにならないように
一般的に質問には2種類ある。それをしっかり認識しながら使い分ける
- 相手に自由に考えてもらうための質問(=相手を動かすための質問?)
- 自分が知りたい情報を集めるための質問
2+3 - アクノレッジする
Acknowledgeとは、その人がそこにいることに自分は気づいている、ということを相手に伝えてあげること。
相手を承認することは3種類のスキルがある
- 結果承認
- テストやスポーツの結果を褒める
- 行為承認
- 努力やプロセスを褒める
- 存在承認
- 笑顔を向けること、話を聞くこと、子供の存在を喜ぶこと
例)
- 子どもの好きなものを一緒に食べ、子供の世界を一緒に味わうのも承認
- 子どもなりの「ボケ」をちゃんと拾って「ツッコミ」をいれてあげるのも承認
世の中には2種類の人がいて、他人に承認されたい人と、他の人を承認しようと思って生きている人。前者がとても多いけど、後者になれる人はとても素敵だし、そういう社会は良い社会ですね。
4 - リクエストする
「不満は聞かないけど、リクエストなら答えられるよ」
PART3 視点を増やすスキル
1 - コミュニケーションのタイプを知る
冒頭の「コーチングとは、個別的に関わることである」についてだが、十人十色どころか無限にある相手の性格に対してどのように関わるか。ここでは大きく4つのタイプに分けて考える
- コントローラー
- 自己主張多め、感情表現少なめ
- 独断的、目標達成意識が高い、人間関係よりも課題をこなす、結論を急ぐ、他人を責める
- プロモーター
- 自己主張多め、感情表現多め
- アイデア豊富、細かいことは気にしない、熱しやすく冷めやすい、楽しいことが大好き、褒められて伸びる、よく話す
- サポーター
- 自己主張少なめ、感情表現多め
- 人を助けるのが好き。穏やか。何かを決めるのに時間がかかる。目標達成意識が低め、気配り、争いを避ける
- アナライザー
- 自己主張少なめ、感情表現少なめ
- 計画を建てるのが好き、冷静な印象、失敗や間違いが嫌い、慎重に人と関わる。大人数は苦手、傍観者になりがち
上記は、タイプ分けしてレッテルを貼るのが目的ではなく、他人の傾向を理解して、相手に合わせて行動するためのものである。
以前受けた某コミュニケーション研修では、それぞれドライバー、エクスクレッシブ、エミアブル、アナライザーという名前だったが、内容は全く同じと見て良さそう。その時には4象限だけでなく、更にそれぞれ2分割して、8個に分けて話されていた。ドラ+ドラ、ドラ+エク、エク+エミ、、、などと。
レッテルを貼るとなんとなく気持ちよくなってしまうんだけど、そんなことは意味がないどころか、勘違いして失敗しまう場合があるので要注意ですね。
2 - 優位感覚を知る
他方、人がどの感覚を通して物事を認識しているかについても4つの傾向があるとのこと
- 聴覚系
- 本を読むより話を聞く
- 人の言葉や声の調子に反応しやすい
- 騒音を嫌い、静かな環境が好き
- 言語感覚系
- 思考することがすき
- 意味が通るかを重視
- アウトプットする機会が動機になりやすい
- 触覚系
- ものを作るのが好き
- 説明書の前にいじってみる
- 視覚系
- メモが好きで、図やイラストも使う
- 口頭の指示よりも書面を好む
- 人の表情や身振りに注目
子どもにはどの方法を使ってアプローチするのが良いか、タイプを見極めるのがよいと。
では自分の子供はどうだろうかと考えてみると、とても難しい。全部当てはまるような気がする。完全素人な推測だけど、子どもって自分の感覚をそれぞれ試している段階なので、どれかに分けられるものでもなさそうな気もする。もちろん人による。
3 - 意識して視点を動かす
- ディソシエイト
- 客観的に見る
- アソシエイト
- 主観的に見る
鳥の目、蟻の目ってやつかね。
4 - 宝物を見つける
「今の子ども」を味わう
という章にかかれている内容は本当に、子どもが大きくなるに連れ、年々身にしみてきます。
子どもはあっという間に大きくなってしまうから。。。日々、いろんなことができるようになったら嬉しいし、色んな話ができるようになるのも、一緒に高度な遊びができるのもとても楽しいんだけど、3歳くらいのかわいさはもう戻ってこないのかなどと感傷的になることもあります。
言い間違いなんて本当にかわいくて、自分はevernoteにずっと記録しているんだけど、今でもたまに読み返して笑っています。
また数年後には、あの頃もかわいかったなと今頃のことを思い出すので、まさに今のこども味わうことを忘れずにいたい。
PART4 自分の内側に力強さが生まれるスキル
1 - 「軸」を持って関わる
子育てをする上で何を「軸」とするのか。
この章でも軸という言葉をあえて言語化している。
日々、自分はどういう目的を持ってその人と関わるのか
- 子どもを常に○○するのが自分の役割だ。
- 子どもに○○な人と思われたい。○○な人とは思われたくない。
- 自分が憧れる父親像は○○で。それはいつも彼が○○しているからである。
- 私の親としての軸は○○である。
ここは、上記のペーシングと並んで、本書のもっとも本質的な問いかけのように思う。
2 - 二分化について理解し、二分化から自由になる
二分化、あるいは二極化とはどういうことか。
このタイトルを読んで真っ先に仏教の「中道」を思い出しました。ある意味、自分が最も大事にしている言葉でもある。
仏教の実践についての基本的な考えで、対立または矛盾しあう両極端の立場を離れ、両極端のどれにも偏らない中正な立場を貫くこと。
3 - 思い切って、一体感を味わう
この章はもう本書のテーマと関係ないかも、と思ったけど、自分も子育てを通して、見ず知らずの人にとても感謝した経験について、どこかに書き残したいと思ったのでここに。
- 電車で子どもを膝の上に乗せて座席に座っていたときに子どもがグズり始めたんだけど、目の前に偶然若い女の子、多分18か19くらい、がいて、僕と子どもに背中を向けている状態で立っていた。ゲーセンで取ったのか、ぬいぐるみを手に持って背中側で持っていたのだけど、子どもがそれに反応した事に気づいて、数秒おきに何度も何度も、後ろを向いてそのぬいぐるみをプイっと向けてくれて子どもをあやしてくれた。どうもありがとう。助かったし、子どももとても嬉しそうだった。あなたにたくさんの幸せが訪れますように、と心から思いました。その場でお礼をしたらもう止めてしまうのでは、と要らぬ心配をした僕は、敢えてそっぽを向いて気づかないふりをしました。多分あなたなら、それでも続けてくれていたでしょうけど。
- これまた電車内でぐずって大きな泣き声を上げたときなんだけど、スマホでゲーム?をしていた太っちょの若い男が何やら叫んで、多分子どもや僕たち両親に文句を言いながら隣の車両に言く、ということがありました。その直後、すぐ近くの席に座っていた初老の女性が、おそらく気遣ってくれて、でも何事もなかったかのように子どもあやしてくれて、僕たちの味方であることを示してくれました。とても救われました。どうもありがとうございました。
- 吉祥寺のちょっと人気のあるレストランで、まだ小さかった子どもを抱えて入ろうとしたら、店内に案内された時に思ったより店内が狭く感じて、「あ、ちょっと他の人に迷惑かけちゃいそうなのでまたにします、、、」と言ったら、シェフ?らしき初老の男性が「いいんだよ、うちはそんな気遣うような店じゃないんだから、ほら、どこでも好きな席選んでいいから!」といって、テラスの一番良い席を選ばせてくれました。なんというかっこいい男性だろうと思いました。どうもありがとうございました。
4 - 事実を伝える、そして味方でいる
事実を言って子どもを正そうとするとき、つい責めるような言い方になってしまい、子どもから見ると、立ちはだかる「壁」のように見えてしまうようなことは避けなければならない。
- 目に見える事実
- それを見た自分の中に起こった事実
を分けて、客観的に伝える。それを、子どもが聞きやすいように、子ども目線で(時におもしろおかしく)伝え、子ども自身で確認できるように伝えないといけない。
自分にとって本書の3番目に刺さったところである。僕も子どもに対して壁化してしまう。
5 - すべての感情を味わうと決める
そうですね。子育てって結局そういうことなんだと思います。そして、それはすごく難しくて苦しくて、忍耐が必要なのですよね。
PART5 子どもから学ぶ
子どもは、今ここで何を選ぶのか、何に価値を置くのかを、親に問うて来る
本当に、そうです。自分の論理によって合理的に考えれば一択なんだけど、その論理自体が子育てとして正しいのかと言われると揺らいでしまうような困難な問いかけばかり。
もともとコーチとクライアントというのはお互いがお互いの学びを促進していく関係
なるほど、そうなんですね。子どもからは学ぶことばかりです。
以上、いろいろ思い出させてくれるよい本でした。