「苦しかったときの話をしようか」
苦しかったときの話をしようか
まとめ
人生とはなにか、会社とはどんなもので、働くとはどういう意味か、社会とはどういうものかなどを父が子に伝えたいことを手紙としてまとめるスタイル。
子を持つ親として、こういうことができるのは一つの本望であると思う。
本書が素晴らしいと思うのは、著者が自分の経験や考え(パースペクティブ)を、親として子に押し付けないように細心の注意が払われているというところかと思う。子が、その他人のパースペクティブを土台として、自分のパースペクティブを形成し、最良の決断が自分自身でできるようにというのが目的になっている。
個人的に、この本の中でビジネスパーソンとして最も読む価値があるのは、本のタイトルとなっている第5章だった。アメリカ駐留時代の壮絶な戦いの記録を含めた、森岡さんが苦しかった時の3つの話。
森岡さんですら、
- (原因論的にいうと)過去がトラウマになって今でも電話に出られない
- 自分が信じられないものを他人に信じさせようとしなければならなかったが言えなかった
- 自分が無価値だと感じてしまう
ということがあったのだなと。しかしそれを乗り越えるのはやはり自分の強みへの集中と、覚悟であった。 こういうのを見ると、自分には、覚悟や戦略的思考、行動を起こす勇気がまだまだ足りてないのだなと思わされる。
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