Book of the year 2018

また12月がやってきたので、今年読んだ本を棚卸し。

今年はW杯とNetflixに時間を奪われてあまり本を読めなかったが、見返してみると意外と小説が多かったな。

 

ビジネス部門

 好きなことだけで生きていく。

この本はホリエモンの超合理主義的な考えではない部分を見ることができる。結構ポジティブにアドバイスをくれるのだ。

公演などで質問の質が悪いとくだらないなどと厳しい口調でダメ出しするらしいが、その一方で、そう言われることにめげてはいけない、出る杭になれと助言する。

親はなにかに熱中する子供を決して止めてはいけない。熱中ほど価値のあるものはない。その体験が自信となる、などという子育て中の親からするとまさに金言。

 

 

革命のファンファーレ

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

お騒がせ芸人がどんなこと主張してるのかなと思って読んでみたが、意外とまともなこと言ってた。

野心的でやりたいことやって周囲に乱流を作る感じがホリエモンっぽい。出発地点が芸人だったというところが色眼鏡で見られてしまうのかも。

 

1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル 時給思考

 

自分でやるべきことをしっかり絞って無駄なことに貴重な時間を使ってはいけないという内容。

時給という切り口から論じるのはあまりピンとこなかったけど。

kindle版を読んだのだけど、この本の特筆すべきは、すべてのページで重要な内容・主張が赤や青のフォントで書かれているために、斜め読みがとても捗るところ。これすべての本でやってほしい。

 

溶けるデザイン

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

 

 

モチベーション革命

団塊の世代やバブルの世代などは達成感や快楽というものがモチベーションだったが、現世代は意味合い、人間関係、没頭というのが重視される。

新しいサービスやイノベーションは一人の人間の偏愛によって生まれる。仕事と遊びの境目がなくなり、公私混同になる。効率という意味ではやらないほうがよいかもしれない、でも私はどうしてもやりたい、という強烈な嗜好性こそが新しいものを生み出す。

人間関係という意味では、もっと相手を信頼する事が必要。いちいち疑っていたら動きが鈍くなる。例えば最近のサッカーは戦術の進化が加速し、如何に全体としてチームを信頼し効率的に動くかというのがより重要になっている。

日本人は信頼する術を知らない。日本「他人に迷惑をかけてないけない」⇔インド「誰かに迷惑をかけないと生きていけないのだから、他人の迷惑を受け入れない際」。自立とは、依存先を増やすことである。 

 

SIMPLE RULES

SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍

SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍

 

シンプルなルールを作ると、目標がぶれずにスピードのある判断ができるという内容。

少ないルールで具体的で柔軟であること。

かのスティーブ・ジョブズの言葉の引用が印象的だった「シンプルであることは複雑であることより難しい。物事をシンプルにするためには必死に努力して思考をクリアにしなければならないからだ。」

 

未来に先回りする思考法

未来に先回りする思考法
 

未来を予想するには当然難しいのだけど、過去の流れや原理を理解した上で、リソースの一部を不確実性の高いものにあえて投資することでバランスをとる。 

現状をひたすら効率化するのは、目的地への近道を探すことを放棄した思考停止状態である。

 

自己啓発

 図太くなれる禅思考 

傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考

傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考

 

この人の本はとても勇気づけられて好き。読むと日々を振り返る機会をくれます。

 

 

スポーツ部門

 ドイツの子どもは審判なしでサッカーする

ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド

ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド

 

 

ドイツでサッカーの育成年代の指導者をしている著者の本。

ドイツの指導者には結果よりもチャレンジ精神や主体性を育てるという点が重視されていること。それをなし得る設備・環境がアマチュアの世界ですら充実していること。指導者が本質的に子供をリスペクトしていること。

日本は今のやり方では100年たっても追いつかないなと。

教育という意味でもためになる内容。

 

 モダンサッカーの教科書

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー

モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー

  • 作者: レナート・バルディ,片野道郎
  • 出版社/メーカー: ソル・メディア
  • 発売日: 2018/06/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ここ数年で一気に進んだサッカーの戦術を語るときによく使われる概念や単語を解説してくれる。こういうの読むと理解はできるんだけど、リアルタイムに状況が変化しまくる試合を見ながら解析するのは難しいんだよなぁ。

 

セットプレー最先端理論

元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論

元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論

 

サッカーの戦術の中で未だに開拓されてないと言われるセットプレーについて解説するというマニアック本。

 

雑学部門

今年は西洋美術史に関する本をたくさん読んだので無理やり部門を作った。

 西洋美術史入門

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

 

 

絵画は識字率が低かった当時の大衆への伝達手段(主に宗教に関する内容)だった、そのためにスポンサーは教会や国王だった。識字率が上がると聖書が読まれるようになりプロテスタントが登場し偶像崇拝禁止が主張される。絵画は役割が変わって、静物画や風景画が描かれるようになり、市民が買うようになった、などなど。

西洋美術を楽しむ上で世界史の知識は欠かせないし、逆に美術をみると当時の世界についてわかることがたくさんある。そういう美術の見方、楽しみ方を学べる本。

今年は西洋美術史に関する本を何冊も読んだが、この本は最高の入門書だった。

美術館は結構好きなんだけど、絵を見ても理解できないことがあってもやもやしながら帰る事が多いが、これを読んで少し見方がわかった気がした。

 

小説部門

コンビニ人間 

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

 

「私は人間である以上にコンビニ人間なんです」という名言が飛び出すエキセントリックな芥川賞受賞作品。

最初、主人公の言動を単純に楽しみながらエンタメ的に読んでしまったが、話が進むほど奥深さのようなものを感じ、最後の数ページの怒涛の展開と名言の数々に、それまでの読み方を後悔して、すぐ最初から読み直した。

 

AX

 

AX アックス

AX アックス

 

 

伊坂幸太郎の殺し屋シリーズの第三作目。・・・とは知らずに 二作目を読む前に読んでしまった。6割位よんだところで、あれこれシリーズのやつか、と気づいたのだった。。。

伊坂幸太郎は群像劇的展開と伏線回収の鬼で、広げすぎた風呂敷をしっかり回収するのはさすがとしか言えない。自分的伊坂幸太郎史上傑作の呼び声高い。

それなのに二作目を飛ばしてしまうとは、、、

 

マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)

マリアビートル (角川文庫)

 

 ということで悔しかったのですぐに二作目を読んだのだった。このシリーズは本当に面白い。いつか三部作を最初から読もう。 

 

ジェノサイド

ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

 

 

イラクで戦うアメリカ人傭兵と日本で薬学を専攻する大学院生。二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。

物語は群像劇的な展開で、イラクにいる傭兵、ホワイトハウス近辺、日本の大学院生などいろんな立場が描かれる。群像劇好きなので楽しめた。物語の中に事実をベースとした軍事・動物・民族問題・紛争などなど、様々なエピソードが盛り込まれていて、それも勉強になった。展開も早くて読みやすかった

 

天地明察

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

 

 
日本最初の暦を作った囲碁棋士兼天文暦学者のお話。下巻の途中まで、この調子で暦を作れるのかと心配になるような展開だったが・・・。映画版もみてみたい

 

その他

 デザインが楽しい! 地図の本

デザインが楽しい! 地図の本

デザインが楽しい! 地図の本

  • 作者: サンドゥーパブリッシング
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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世界各国中の楽しい地図ばかりを集めた一冊。地図好き、デザイン好きからすると最高に楽しい本。いつまでも見ていられる。 こんなに楽しい地図で、行ったことある街を見ていたら、時間を忘れていつまでも見入ってしまった。