「モヤモヤした感情を整理する8つのコツ」
モヤモヤした感情を整理する8つのコツ
最初にまとめ
時代や宗教、職業などが別々の様々なバックグラウンドをもった人でも、言っていることはかなり似通っているというのがよく分かる。僕の場合は殆どアドラー心理学に帰結した。
第1章 くよくよした感情
それ浄土というも、地獄というも、 外には候はず、 ただ我らが胸の間にあり
-- 日蓮
(極楽とか地獄というものは、自分を取り巻く環境のような外部にあるものではない。 心のうちにある。ものの考え方1つで、極楽にも地獄にもなる)
楽しみは、珍しき書、人に借り、 始め位置ひらひろげたる時
-- 江戸後期の歌人 橘曙覧
めっちゃわかる。他にも同じようなものがあるらしく、
楽しみは、まれに角煮て、児等皆が、 うましうましといひて食ふ時
(人生の楽しみも一つは、久しぶりに食卓に煮魚がでて、子どもたちが「うまい、うまい」と食べている光景を見るときである)
すごく普通のこと言ってて、若い時は理解できなかったかもしれないけど、なんかとても刺さる。 幸せというのはごく身近なところにあるのだ、と。
第2章 怒り
賢者は敵から多くのことを学ぶ
これはビスマルクの
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ
という言葉を思い出した。ちなみに僕は愚者です。愚者以下かもしれませんw
逃げていく敵には橋をかけてやれ。
-- 古代ギリシャの軍人 アリステイデス
子育てのことを考えながらコレを選んだ。 本田宗一郎は叱ったあとに必ず褒めたとか。(まあ普通の上司でも、パワハラだとか面倒なことを回避するために、自己防衛的にやっていそうだけど)
第3章 恐れ
境遇を恐れるな。ただ自己を恐れよ
-- 明治時代の思想家 杉浦重剛
悪条件自体ではなく、そういったものに打ち負かされてしまう自分自身の心こそが恐れなのだと。
粗相があったからといって、 別に命までとられるわけではない
-- 臨済宗の僧 沢庵
本当にそのとおりです。現代において、仮に仕事で大きくやらかしてミスったとしても、命がなくなったり、家族を守れなくなる、なんていうことは絶対におきないのです。 「永遠の0」を読んだ時に、これから自分がどんな境遇になったとしても、特攻隊員になった若者たちよりはずっと希望があるはずだと思ったことを思い出した。
第4章 不安
居は気を移す
-- 老子
リモートワークの現代においてはっとするような一言。許される範囲で場所を変えたり非日常を作り出すのが良さそう。
金がないから何もできないという人間は、 金があっても何もできない人間である
-- 小林一茶
「金」を「時間」に置き換えて読み直すと、一気に心にぐさりと刺さる。
第5章 後ろ向きな感情
勉学で使う油は惜しむな
-- 緒方洪庵
ドラマ「JIN-仁-」で武田鉄矢が演じてたのしか知らないけど、そのとおりです。 自己成長に対しての投資は一番効率が良いのです。
第6章 頑張りすぎる感情
うまくやろうとするあまり、自分を追い込むと、苦が生じる
-- 林羅山
リモートワークにおいて公私の境目が難しい今にとって、とても大切な心持ちだと思います。そして、実際に「苦」が生じるまで気づかないという事になりがち、、、
反省は病を治す薬だが、大事なのは過ちを改めること もし悔いにとらわれているだけなら、別の病がおこる
そのとおりなんだけど、「過ちを改めること」をどこにおいてどのように行うかが肝なんですよね。
すごろくの上手といいし人に、その手立てを問いはべりしかば、 「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり」
-- 吉田兼好
これは一見ただの「勝負理論」みたいな話に見えるのだけど、少し拡大解釈して考えると、目の前や見せかけの利にこだわるのではなく、大局で考えろ、ということのように思う。
第7章 愛されたい感情
人に勝る財はなし
-- 臨済宗の僧 崇伝
スクラム開発におけるアウトプットとは、「プロダクト」と「チーム」である。と、並行して読んでいる別の書を思い出しました。
己のよくせざるところは人に施すなかれ
-- 孔子
この言葉を本書では、「自分が他人からされたくないことは、他人にもしない」と説いています。一方で、インドでは「他人に迷惑をかけずに生きることはできない。だから自分も他人の迷惑を受け入れないといけない」という教えががあると聞き、感銘を受けたことがあります。とはいっても、この2つの言が別に相反するとは思いませんが。状況や内容によるとしか。
よろずの事は頼むべからず 愚かなる人は、ふかくものを頼むゆえに恨み怒ることあり
-- 吉田兼好
本書では「他人に角の期待を寄せてはならない」という解釈にしている。これはこれで正しいと思うのだけど、前述の「他の人にもっと頼るやり方のほうが回り回って皆が幸せになる」という考え方のほうが好きかも。
第8章 認めてもらいたい感情
まことの商人は先も立ち 我も立つことを思うなり
--石田梅岩
まあ、いわゆる三方良しみたいなことだと思うけど。 「先」を誰において考えるか。上司かチームメンバーか、他部署のメンバーか。
「感情的にならない気持ちの整理術」
感情的にならない気持ちの整理術
最初にまとめ
どこからでも読めて、1日で読了できるシンプルな本。 こういう本は、多分、刺さる時はとてもよく刺さるというもので、疲れた時など、たまに読むと良いと思う。
以下、メモ。少し自分の理解を足してニュアンスが変わっているものもありますが。
第1章
- 感情をコントロールできないと人生も不幸になる
- 「嫌われたくない」という気持ちが不機嫌を生む
- いつまでも落ち込んでいるのは過去の自分のせい?
- 自分が不機嫌になれば、相手も不機嫌になる
- 「答えは一つ」だと思うと不機嫌になる
どれも正しいと思うのだけど、結局相手との人間関係の問題なので、相手がどう思い言動するかによって、これだけでは解決するには不十分な場合があると思う。と考えていくと、結局、アドラー心理学にたどり着くというのが自分の考え。
第2章
- 自分を含め、どんな人の性格も偏っている
- 80%できれば合格と考える
- 1週間に3つのご褒美を用意する
- どんな結果が出てもまず自分を褒める。魔法をかける
- 「自分はこのままでも大丈夫」と思う。自己許容
- 自分の成長を信じる
自分を褒めるのもいいが、他人を褒めるのも良さそうな気がする。
第3章 やってはいけない!ストレスを増やす行動
- 言っても仕方がないことは言わない
- 困った時に一人で抱え込まない
- 一人でできることには限界がある。他人を動かす
- 「察してほしい」と思うこと
- 言語化してお願いしないとわからない
第4章 毎日、ごきげんな自分になる
- 「変えられること」だけに取り込む
- 過去と他人は変えられない
- 楽しそうに振る舞う
- 謝るのが得か、謝らないのが得か
- 好きなことから始める
- 徹底的に休む!
- やばいときは1週間休む
- 気分転換の手段を持つ
- 新しいことにチャレンジ
- 陽気な人の真似をする
- グループの雰囲気がよくなる
変えられることと変えられないことを見極める知力をくださいってやつですね。
付章 気持ちの整理術
- 7秒間、深呼吸をする
- 脳に新鮮な酸素が送られるのをイメージ
- 自分の行動と気分をノートに書く
- 他人を褒める
- 季節や人生の節目のイベントを大切にする
- 自分の感情をラベリング
- 開き直って自分を肯定してみる
- 紙に書き出してみる
節目のけんは、僕も重要だと思っていて、これをやらないと人生がとても無味乾燥なものになると思います。
「スクラム 仕事が4倍早くなる”世界標準”のチーム戦術」
スクラム
またscrumについての本。 流石に3冊め?になると殆どの部分について同じ内容を読みなおすことになり、飛ばし読みが多くなる。 この本は、他のスクラムの本と比べると、結構硬派で文字が多めと言えるかもしれない。スクラムのエッセンスに加え、世界各国で過去に起きた失敗例や導入例を含んでいるので、広く知識をトリビア的に得つつ、スクラムの本質を学ぶことができる。エッセンスだけを知りたい場合や復習したい場合は、各章のまとめだけを拾い読んでいけば良いかも
第1章まとめ
- 計画は変わるものだ
- 検査と適応 折に触れて立ち止まり、それまでの仕事を振り返って、やり残しや改善がないか
- 早い段階で失敗し、早く修正する 最初から正しくフィードバックを得ないと、「早い段階での失敗」が見つからずにそのまま進んでしまうということがあるなと。
第2章まとめ
- 現状を正しく把握し、選択肢を吟味し、決断し、行動する
- 外に目を向け、答えを探す
- 主体的に動く力をもち、枠を超えた大きな目標を掲げている
- 推測ですませない。PDCAのサイクルを
- 守破離:型を体得したら工夫を加え、最終的に型から離れて流れに身を委ねる
第3章まとめ
- 個人ではなくチームのパフォーマンスを改善すること
- 個人の協会や限界を超えた目的がある
- 仕事をどう進めるかについて主体性を持つこと
- 機能横断性
- 小さなチームは動きやすい
- 避難は無意味
第4章まとめ
- スプリントで時間を管理
- デモで実物を見せる
- 全員が情報を共有する
- デイリースクラムは"ハドル"である。
- 報告の場でなく、効率化の場である
第5章まとめ
- マルチタスキングが効率を落とすのは明白なので、実装の順番も、ある程度まとめて行うべきである。
- 仕事のしすぎは悪循環を生む
- 消耗→ミス→時間
- 無理はしない。モチベーション低下につながる
- 困りものは不要
- 感情面でチームをかき回したり、不安や恐怖心を煽る行為はやめさせる。
第6章まとめ
- 計画は必要な分だけ行う
- 相対的な数値のほうが良い
- ポーカーする
- ストーリー形式で
- ベロシティを把握
- 到達地点は数スプリントやってみてから予想できる
第7章まとめ
- 幸福度の計測 何を1つ変えれば、次のスプリントでもっと幸せだと感じられるか
- 大切なのは旅そのもので、目的地ではない。だから幸福感がでる
- 幸せに働くことができれば良い選択ができ、想像力を発揮でき、大きな成果に手が届く
- 幸せを量的に把握する
- 日々進化し、それを評価する
- 仕事のすべてを見える化する
- 誰でもみることができ、日々状況を更新できるように
- 幸せとは、主体性、スキルアップ、役に立つこと
- 幸せのバブルには注意。
第8章まとめ
第9章まとめ
- スクラムはあらゆる問題に適用可能
- 学校でも、貧困対策でも
- 肩書にとらわれないこと
「自己肯定感の教科書」
自己肯定感の教科書
最初にまとめ
- 自己肯定感は時と場合によって高くもあり、低くもなる
- 自己肯定感は何歳からでも育てることができる!
- 自分の自己肯定感がどういう状態なのか認知することが大切
- 過去の失敗や、他人との比較に囚われてはいけない
- 自分の成果と努力で自分を評価していく
シロクマの実験
シロクマのことは絶対に考えないでください、といわれたグループが一番シロクマのことを覚えていた
つまり、意識して思っていることや感情を紙に書きだし、自分で目視できるようになる。
そのほうが忘れやすく、手放しやすくなる
ファーストチェス理論
5秒で考えたチェスの一手と30分かけて考えた一手の86%が同じ手になる
孫さんが実践しているらしい
レファレント・パーソン
解決できそうな人を想像し、その人ならどうするかを考える
- ビル・ゲイツなら?
- 同期のアイツなら?
- 上司なら?
自己有用感
人は誰かの役に立っていると感じる時に最大の幸福を感じる
ディズニーやスタバでは職場のMVPを投票できめている。
→でもこれだと選ばれない人がでてくるので、全体の幸福化にはならないのでは?リーダーやメンバーの個人が、別の人を、個人的に、具体的に褒めたりするほうが良いと思う。
自己肯定感を高める方法
- ヤッターのポーズ
- 感情が快の状態になり、血流が良くなってテストステロンが増える
- 歩く
- セロトニン分泌
- 意外と悩みが解決する
立ち上がる
- いつもと違うことをしてみる
- 仮眠を取る
- 5分間掃除をする
- これも一種の小さな成功体験何じゃないかと思う
- 内容次第で作業効率が上がる場合もある
課題の分離
- 最終的に誰の責任になるかを考えていく
- 自分が仕事でミスったら、
- 後始末をする人の責任
- 自分の評価が落ちる
- 自分が仕事でミスったら、
肯定的な宣言が肯定的な自分を作る
- 「運のいい人」たちは「自分が幸運だと思える証拠を集め、思い込みを強化している」
負の感情は数値化してコントロール
例えば10段階で数値化すると客観視できるようになり、過去と比較しながらコントロールできる
8以上になったら誰かに相談
9になったら数時間休む
10になったら1日仕事を休まなければならない
などという決まりを作っておく
「ジョジョの奇妙な名言集 Part1-3」
ジョジョの奇妙な名言集 Part 1-3
ジョジョの奇妙な冒険は、リアルタイムで読んでなくて、アニメが始まった頃から読んでいるのだけど、本当に名言・格言で溢れている。しかも年を取るほど気付かされるような内容が多いので、何度でも読みたくなる。
この本は第1部から3部までの中から、名言をまとめたもの
本書の中から、いつでも読み返したいものをピックアップ。
第1部
-- ディオ・ブランドー
このブログでとりあえげたいタイプのセリフではないけど、あまりにも有名なセリフであり、また「一体何人の命を・・」に対する切り返しとしてあまりにもキレがあるので書くしかない。
「策」ではないッ!「勇気」だ!!
-- ジョナサン・ジョースター
真っ直ぐな性格のジョナサン
「勇気」とは 「怖さ」を知ること 「恐怖」を我が物とすることじゃあッ!
-- ウィル・A・ツェペリ
第1部はツェペリが名言をたくさん吐いていたイメージがあります。 「怖さ」の正体が何かを突き止め、覚悟を決めて対策を講じれば、「恐怖」も乗り越えられるはず。難しいけどね!
人間に不可能はない!人間は成長するのだ!
-- ジョナサン・ジョースター
真っ直ぐな性格のジョナサン(2回め)
人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!! 人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!
-- ウィル・A・ツェペリ
こうしてみると、第1部は勇気についての名言が多かったように思います。ジョナサンやツェペリの真っ直ぐな性格が現れているのかなと。 もしくは自分は拾ったものがそうだったのかもしれないけど。
第2部
オー!ノーッ おれの嫌いな言葉は一番が「努力」で 二番目が「ガンバル」なんだぜーッ
-- ジョセフ・ジョースター
ただ愚直に努力する・頑張るのではなく、頭を使って作成を立てることがより重要であり、勝敗を決めるのはそういうところだ、という意味だと思う。一見コミカルなシーンなんだけど、本質的なことを言っていると思います。 そして、ジョナサンとは真逆の性格とも言えるジョセフらしいセリフでもある。
第2部は心理戦の要素が大きいということもあり、名言として取り上げられるセリフはそんなに多くなかったのかな。セリフというよりシーンとして取り上げられそうなところはいくつもありそうだけど。
第3部
ちがうね・・・ 道というものは自分で切り開くものだ
-- 空条承太郎
承太郎は若干17歳でこんなこと言っちゃうのかよとw
レロレロレロレロレロレロレロレロ
-- 花京院典明
これもね。
二度とあのときの惨めな花京院には絶対にもどらないッ!
-- 花京院典明
惨めだった過去の自分を乗り越える勇気を出す一瞬!
人間の魂というのは実に不思議だ 「敗北」する時! 自分の「敗北」を自分で認めた瞬間 魂のエネルギーは限りなく0に近くなる
-- テレンス・T・ダービー
ダービー弟のところは第3部で一番好きなところかもしれない。 仕事でもスポーツでも、敗北を自分で認めてしまってはいけない!
あ・・・ありのまま 今起こったことをはなすぜ!
で始まる例のやつもあまりにも有名なテンプレとして使われていますが、取り上げたい部類のものではないのでスルー。
人間は誰でも 不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる
-- DIO
人間の心理をついた言葉を巧みに用い、ポルナレフに対して自分に仕えないか迫るDIO。圧倒的に強力な相手の前にこの悪魔の取引のようなセリフを吐かれたらどうしよう。
こうやって見ると取り上げたものの中に承太郎の名言が1つしかなかったな。あまり饒舌に喋るタイプでもないからかな。
「苦しかったときの話をしようか」
苦しかったときの話をしようか
まとめ
人生とはなにか、会社とはどんなもので、働くとはどういう意味か、社会とはどういうものかなどを父が子に伝えたいことを手紙としてまとめるスタイル。
子を持つ親として、こういうことができるのは一つの本望であると思う。
本書が素晴らしいと思うのは、著者が自分の経験や考え(パースペクティブ)を、親として子に押し付けないように細心の注意が払われているというところかと思う。子が、その他人のパースペクティブを土台として、自分のパースペクティブを形成し、最良の決断が自分自身でできるようにというのが目的になっている。
個人的に、この本の中でビジネスパーソンとして最も読む価値があるのは、本のタイトルとなっている第5章だった。アメリカ駐留時代の壮絶な戦いの記録を含めた、森岡さんが苦しかった時の3つの話。
森岡さんですら、
- (原因論的にいうと)過去がトラウマになって今でも電話に出られない
- 自分が信じられないものを他人に信じさせようとしなければならなかったが言えなかった
- 自分が無価値だと感じてしまう
ということがあったのだなと。しかしそれを乗り越えるのはやはり自分の強みへの集中と、覚悟であった。 こういうのを見ると、自分には、覚悟や戦略的思考、行動を起こす勇気がまだまだ足りてないのだなと思わされる。
他にも読んでみたい。
「ワンダー 君は太陽」
ワンダー 君は太陽
「僕は普通の10歳の子じゃない」--オギーは遺伝子の疾患で、人とは異なる顔で生まれてきた。27回の顔の手術のせいで自宅学習を続けてきたオギーだが、両親は息子を外の世界へ送り出そうと決意する。だが、5年生で入学した学校で、オギーはいじめや裏切りなど初めての困難と出会う。幾度もくじけそうになりながら、家族の愛を勇気に変えて立ち向かうオギーの姿に、周囲の人々が変わり始める。そして忘れられない1年を締めくくる修了式の日に、最大の出来事が待ち受けていた──。
遺伝子の疾患のせいで引きこもるオギーとその家族が勇気を持って入学という一方を踏み出す話なのだが、子を持つ親として自分ならどうすることができるだろうかとあらゆる場面で考えることになった。
この映画の良いところは、物語の視点がオギーだけに固定されてないことだと思う。それによって、例えば障害を持つ人本人だけでなく、周囲の人の自然な関わり方とは何か、物語を見る側の我々の心に訴えかけてくるものが大きくなる。
親や周囲から少しだけ保護が必要なオギーにすべての関心が集まりがちだが、姉ヴィアにはヴィアの複雑な感情があり、親友ジャックにはジャックの立場があり、ミランダにはミランダのと、みなが自分や周囲の幸せのために懸命に生きようともがいている。
一つの目立つ事象を固定的な視点でとらえずに、あらゆる人の心を通して見ることができ、つまり相手の考えを想像し、そしてどうあるべきかを考えることができる。それが可能なのが映画や小説なのである。この点において、フィクションであるか実話であるかは当然重要ではない。
オギーがジャックを助けたあとに、エイモスが「さっきかっこよかった」と言った時の関わり方がとてもさり気なくて、この映画が必要以上の演出によって感動を求めるようなものになっていないことを象徴するような場面だった。
ネート演じるオーウェン・ウィルソンはどこかでみたことがあるような記憶があったが、「ミッドナイト・イン・パリ」に出てた人なんですね。ググってスッキリしました。